RONC感想

2020年8月27日、バンダイより発売された「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」(switch版)通称「RONCをプレイしました。

キャプテン翼のゲームといえば、「テクモ方式」が革新的な仕組みだったため、この方式を取り入れないアクションゲームということに期待と不安がいっぱいの新作でした。
発売日より数週間遅れてのプレイになりましたが、計3週をクリアした時点での感想諸々をこちらで述べたいと思います。
結論を述べますと、かなりの良作でありつつ、次回作に期待したい部分も多い素晴らしいゲームでした。
※ネタバレを含みますので、未プレイの方はご注意ください。

 

※記事作成日 2020年10月4日※

●ゲーム性
テクモ版が「コマンド選択型」なのに対し、新作は「コンボ型」と感じました。
敵を抜いてかわしてゲージを溜めて一撃必殺シュート!という戦い方が基本です。
一見、テクモ版の5に近いか?と思いましたが、遊び方は全く異なります。

ネオタイガーショット!!!!!

 

●難易度(初期設定の☆☆にて)
このゲーム、なかなかの難しさといわれていますが、これは強敵ぞろいというより、操作が複雑ということに集約されています。
試合前にちょっとしたチュートリアルがありますが、まず何を練習させられているのかよくわからない。
練習で指示通りのコマンドを入力してドリブルなりタックルなり成功させますが、試合が始まると、リアルタイムのスピードにどのボタンが何だったのか忘れます。またボールを軸として動いている選手の入れ替わりが激しく、自分が今操作している選手を追えないといった状態。
つまり、操作と目が慣れる前の、初戦・大友中がいちばん強敵ということになります。※エピソード翼編
その次に関門と言われているのが花輪中ですが、これはイベントによる強制失点・強制ゴールミスも発生する点にあるのではないでしょうか。もちろん、イベントが発生しないように工夫して戦えば良いのですが。
操作に慣れ、味方が強力な必殺技を覚え始めればサクサク進みます。とはいえ、アクション特有の咄嗟の判断が求められるので、そういうゲームが苦手な人には結構大変かもしれません。
※基本的な行動配置がウイイレに似ているので、そちらに慣れているとスムーズに入れるかも。

お前がナンバーワンだよ

 

上記がおおまかな感想で、以下、実際プレイして感じたことを思いつくままに書きます。

音楽が素晴らしい
管理人がまず真っ先にあげたい長所です。音楽が壮大で、キャプテン翼という歴史を感じさせてくれます。
ちょうどFE風花雪月をプレイしていたばかりでしたので、このFEの最終章を思わせるようなBGMが多く、どの試合もみんな本気で死に物狂いで戦っている様子を思い浮かべてしまいました。本当に戦争でも始まるんじゃないかと。特にメインテーマに近い『Episode TSUBASA』は翼が夢に向かって苦しみながら走り続けるように感じられます。
試合中は、各チーム「Vゾーン」という、全力モードが使えるのですが、このときに各チームのテーマが流れます。これが最高に燃えます。そのチームのイメージを再現した音楽なので、これはファンにはたまりません。そしてそのBGMタイトルにもぜひ注目してほしい。『The Dark Horse』『The Ace Killer』『Emeror’s Pride』『Perfect Cyborg』などなど…もうどのチームのことかすぐわかりますよね。管理人は音楽からのイマジネイションが大好きなので、このテーマとタイトルに完全に心奪われました。

うーん、燃えますねえ

 

ほぼフルボイス
昨今のコンシューマーゲームでは当たり前かもしれませんが、登場人物がよくしゃべります。声優さんがんばってくれましたね。
ストーリーやイベントの会話はもちろんのこと、最初に感動したのは、試合中にパスをする相手を呼ぶことです。テクモ版では特定の選手が対峙したときに、ちょっとした掛け合いがありましたが(「いくぞ ひゅうがくん!」「こい つばさ!」ってやつ)、これではなく、パスの時に、「翼!」「日向くん!」などと呼んでくれるので、ボールがどこへ行くのかがわかります。当然、呼び方は各選手に寄りますので、新田やタケシの場合はちゃんと先輩にさん付けしてくれます。

武蔵のみんなもしゃべります(変なやつ混ざってるけど気にしないで)

 

割り切ったif世界
ジュニアユース大会がフランスで開催されず、アメリカになったこと&開催時期が変わったことにより、様々なシナリオ変更ができました。もし原作通りのシナリオに無理やりオリジナル選手や参加国を加えたら、そこそこの駄作になってしまったと思います。
このif世界によって、原作を知っている人でも新しいキャプテン翼として物語を楽しむことができます。そして、if世界であっても、プレマッチで海外の壁を思い知る全日本や、ロベルトとバルバス監督の翼取り合いなど、物語における重要な箇所はちゃんと抑えています。ただ、最強のフランス審判はいなかった…

ifの世界で原作おなじみのチームたちと戦える嬉しさ。「おお、次は武蔵か…!」

主人公を倒す展開、めちゃくちゃ興奮します

 

DFの働きが肝要
本作はDFの強さにチームの底力がかなり左右されます。テクモ版ではカカシ扱いだったDFが活躍できてうれしい限りです。その反面、MFの機能がやや落ち気味な印象が。これはロングパスでDF↔FWの送球がまあまあ簡単にできちゃうせいだろうか。

過去作品を超える高杉くんの頼もしさ

 

フィールドに響き渡るのは歓声より悲鳴
このゲームは基本的に選手を吹き飛ばしてボールを奪うものなので、よく人が宙を舞います。そのため、試合中のボイスは「よし!」「えいっ!」「それ!」よりも「うわ!!」「ぎゃあ!」「ぐわ!」の方が多いという大惨事です。格闘技なので当然ですね。

倒れている人は確か石崎君。ブロックするともれなく事故現場に。

 

能力差が原作ほどない
原作では翼が圧倒的で、次いで日向や岬など、俗にいうキャプテンクラス以外目立つことが少ないですが、今作はアクションゲームということもあり、プレイヤーの腕次第で脇役にも見せ場を作れます。南葛vs東邦では、闘志燃える日向小次郎に執拗なタックルで奪い取る岩見兼一というプレイが可能です。ほかにも小田中里で削りまくることもできます。斬新。

これは小田くんに吹っ飛ばされた日向さんです

 

アメリカの存在感
開催国となったアメリカですが、ただの参加国のひとつにとどまらず、何か不穏な動きを見せています。
オリジナル選手のブレイクとアズワンは見た目も強そうなので、由緒正しき「ボス」感があって好きです。そして10番の存在…別の世界のキャプテン翼がそこにあります。
ただこれはシナリオ分岐によるので、「原則のラスボスはドイツ、しかし何かの歪みでアメリカがラスボスになってしまう」という点も良いと思います。

こういう屈強な発想大好きです

 

片言の見上
全日本の監督見上さん、ゲームではなんだか棒読み。2018年アニメと同じ声優さんのはずですが、こんな感じでしたっけ?

元GKの割に華奢な気がする

 

きれいなシュナイダー
おめめがきれいだ。アニメパートになると原作っぽい強そうなかっこいい表情になる。二度おいしい皇帝。

とてもきれい

 

主要でないあの選手も活躍
特に顕著なのがイタリアです。名のある選手と言えばヘルナンデスひとりと思われがちですが、MFコンティとFWタルデリがいます。そんな2人がフォーカスされ、本編のイベントにも登場するのだから、ファンにはたまりません。ちなみにアモロはいるけどイベント会話はなかったと思います。フレンドイベントで少しだけ出たかな。(音声はなかった記憶)

きれいな瞳のタルデリくん

 

とんでもないポテンシャルのセネガル
1週目はストレート勝ってしまったせいか、あまり特徴のある戦い方が見られませんでした。しかし2週目以降、覚醒サンゴールに3ゴール上げられてしまうという大惨事。
監督に恵まれなかった、運がなかったセネガルの翼というところか。ものすごい可能性を秘めています。

このシュートがとんでもなく美しいのだ

 

フォルムが美しいアルゼンチン
アルゼンチンのユニフォームがとてもきれいで、フィールドに映えます。そして試合中のディアスの動きが実にディアスらしく、強敵のパスカルとやたらでかいガルバンという、理想のアルゼンチンを表現してくれました。「天才ファン・ディアスだー!」の台詞は何度聞いても良いです。彼らの鮮やかなプレースタイルは一見の価値ありです。

めちゃくちゃかっこいい

 

トータルフットボールオランダ
オランダのクライフォートがいちいち話し方がイケメンで驚きます。まあ実際イケメンだし。
原作のジュニアユースで、オランダがトーナメントに上がってこなかった展開を汲んでいるのでしょう、惜しくも予選敗退です。ただ、敗戦が確定しているチームにも限らず、これだけ原作のメンバーを登場させてくれたことに感動しました。手抜きゲームだったらクライフォートとあと1人+ドールマン(無口)って展開もあり得そうだったのに。

ラスボスじゃないのに6人は好待遇!!

 

強化の幅がすさまじかったフランス
フランスのオリジナル選手、ジャン君の働きがとても良い。フランスにしっかりとした守備が置かれるとこんなに強いんだと実感させられました。というか普通にジャンが強いです。
ポジションもかぶってないし、フランスらしくアフリカ系の選手起用にリアリティがあります。ピエールのキャプテンシーとナポレオンの荒々しさが引き立って、オリジナル選手の立ち位置としてはいちばん好きかもしれません。

ジャン君、強さ余って見切れてます

 

オリジナル選手のいない国
相変わらず不遇のイングランドとウルグアイ。こればかりは日本と戦ってないから仕方ないとは思いますが。ただインクランドにはFWを入れても良かったんじゃないかとは思うものの、やはり予選国に目立った選手を入れてしまうと、他オリジナル選手のインパクトが薄れてしまう可能性もあるからかもしれません。ウルグアイは…ジュニアユース時代に火野を入れたらちょっと話がおかしいことになりますね。
そしてアルゼンチン。各ポジションに有力選手がいるから、あえて追加する必要はないということでしょうか。ガルバンがおまけ選手みたいな扱いだけど、テクモ版ではⅡ以降皆勤賞であることを忘れてはいけません。もし追加するとしたら、ここはやはりバビントンを…

そういや、テクモのアルゼンチンのJY描いちゃったんだよな

 

コルネリアス・ハイネという弾丸
賛否両論のハイネ。彼の性格うんぬんではなく、早い話が彼はシェスターの上位互換になっているということ。他国は原作に足りないポジションで強化を図ったが、ドイツに限っては被り、しかもシェスターに勝った選手という設定です。
原作を振り返ってみても、シェスターは特段妬みっぽい設定もないので、苦い思いをする選手がシェスターである必然性を感じませんでした。この点は原作ありきのキャラゲーとしてはマイナス点。彼が油断ばかりして自分のポジションをいつも奪われがちって原作設定があれば良いけど、依然として不動のMF10番だから、ちょっと強引な展開に見えてしまいました。※ジュニアユース時点
しかし、ドイツのオリジナル選手といえば注目を浴びることは必至です。空いたポジションということでDFのオリジナル選手…というと、正直キャプ翼的には華がない。でもFWは圧倒的皇帝シュナイダーがいるからさすがにそこには置けない。となると、MFに置いてシェスターかカルツのどちらかが引き立て役にされてしまうのは必然だったのか…
疑問点は多々ありますが、それはともかくとしてハイネのことは大好きです。腹パンしたくなる可愛さがありますよね。

大変魅力的な選手です。腹パンしたい。

 

マーガスは空気だった…
まるで熟年夫婦がごとく、「彼には気を遣わなくていい、空気みたいな存在です」ということなのだろうか。ドイツの強さを語るシーンでちょいちょい省かれてる彼に、これはテクモ版の伝統を受け継いだのだろうかという邪推をしてしまいます。ライサンでがんばっているのにね。マーガスはもっと評価されるべき!と啖呵切りつつ、これはこれでオイシイとか思っている自分がいます。

この頃はそこまで長身ではなかったのだ

 

テクニックの偏り
自分の操作がおぼつかないせいでもありますが、ドリブル・タックル・ショートパス・地上必殺シュート以外のテクニックがうまく使えません。ただ、それでも普通に勝てちゃいます。
テクモ版では浮き球やスルーのテクニックがとても大事でした。本作ではスルー戦法はありませんが、浮き球=空中シュートはあります。ただ、発動が難しいのと、それに見合うほどの威力がないように感じるため、あえて積極的に狙いに行くことはありません。浮き球が得意な選手もいるので、そんな彼らが輝けるような戦い方をしたいのですが、いかんせん割に合わない。マーガスが地上シュートしか打ってこないのは残念です。
あとワンツーの操作が難しい。しかも無理して使うほどでもない。難易度☆☆☆にしたら、ワンツーを駆使しないと突破できないくらい、プレイヤースキルが要求されるのでしょうか。

えっと…どういうこと?

 

全体図が知りたい
本作のメインとなるニューヒーロー編は、大きく分けて「ニューヒーローリーグ」と「ジュニアユース」の試合が繰り広げられることになります。しかし、次の対戦相手はここ、と見上監督たちに淡々と告げられるだけで、大会の全体像が見えませんでした。説明を細かくメモしていけば各自トーナメント図等は作れると思いますが、その絵はゲーム内で提示してほしかった。話題にあまり上がらないけど、ポルトガルやサウジアラビアなどが参加しています。そういう国の存在感とかも把握しておきたいところ。

 

エディット育成していると既存選手に気が回らない
ニューヒーロー編では、自分の分身となるエディット選手の育成が一番の楽しみとなります。クリア後に、自分で育てたエディット選手をオンライン対戦で起用することもできるので、本編中でのエディット選手の育成が重要になります。そのため、場合によっては、必要なくともエディット選手にボールを回して経験を積ませることも重要です。おかげで既存選手(翼たち)の行動まで気が回りません。さらに本編中では既存選手を使って特殊な条件のミッションを達成すると特別な必殺技を覚えることもあり、エディット選手の育成と、チーム全体の育成、特殊ミッションと…全部こなそうと思うと急激に難易度が上がります。
これについて、みなさん難なくすべてこなせているのでしょうか。自分には全達成はまだまだ厳しそうです。

 

敵AIに救われる
各国の主要選手になると、必殺シュートのさらに上、特別演出の入るSシュートが存在します。これを打たれるとほぼほぼセーブできません。(一歩も動けない状態になるので、GKの体力は関係ない)
もし勝つことを目的とするなら、このSシュート持ちの選手にボールを集めれば良いということになりますが、敵AIはちゃんとモブFWにもシュートチャンスを与えてくれます。ここがオンライン対戦をしたときと決定的な差になるでしょう。
敵AIはもっと賢くなるべきだと思いつつも、それじゃ勝てなくなるから、これくらいの加減がちょうどいいのかと思っています。当サイトでフランス戦はスライダーキャノン以外は好きに打たせとけと言った管理人の力量を推して知るべし。

 

イベントはもう少し動きを求めたい
キャプテン翼はスポーツ漫画でありながら、人間ドラマの漫画でもあります。その要素を踏襲すべく、試合中にもいろいろなイベントが発生します。それは走りながら心理描写を述べていくもの。演出はそれで問題はないのですが、あわよくば、もう少し試合の動きと連動してほしかったかも。効果音と実況だけで状況を説明してしまう箇所が続くと、もう少し頑張って!と思ってしまいます。ただ、第一作としては十分なので、次回作に期待すべき点と捉えています。

 

エディットでスーパーストライカー
本作は、エディット選手機能で自分の好きな選手を作成し、キャプ翼の世界に登場させられるということで、その発売前情報を聞いて管理人は「テクモ版の選手を作りたい!!」と夢想しておりました。
しかし実際のエディット選手の立ち位置はというと、才能のある中学一年生で、諸先輩や各国のレギュラー選手にサッカー技術等について教えを請う存在でした。確かに、キャプ翼の原作を損ねないためにはそのポジションが最適です。
しかし、自分が作りたかったキャプテン翼Ⅱの選手となると、既に自国の看板を背負っている一流選手であって、数多の選手に教えてもらっている立場とはちょっとちがうかな、と思ってしまいました。具体的に言うと、エディット選手「コインブラ」が東邦学園に入学して、「日向さんがいちばんです!」「タケシ、一緒に頑張ろう!!」と言う存在になってしまうということです。
発売前からあの選手この選手と思いを巡らせていましたが、実際プレイしてからは、彼らをこの世界に産み落とすことに躊躇しています。これは単純に、RONCの世界観に自分の求める像が合わなかったというだけであります。
しかし、実際、コインブラやバビントンを作ったユーザーは多いようです。※GKはエディットできないため、ゲルティスやメオンは登場できない模様。

そんな中、管理人がなんとなく作ってしまったエディット選手をご紹介します。

似てなさ過ぎて誰か明かせません

パスが得意の彼

衝撃の事実

 

4週目…
実はまだブラジルと戦えていません。次こそはサッカーサイボーグに会えるようにがんばります。